2010年の夏、ちょっとこれはヤバイかも、というやっかいな病気にかかってしまいました。
けっこう大がかりな手術をして、そのために消化系の機能をいくらか失ってしまいましたが、懸念された生命の危機は幸いにも免れることができました。
「あ~、ポルシェに乗りたいなぁ。」と漠然と思ったのが、この病気が発覚し、手術を待っている頃です。
手術が決まってから、二ヶ月近くの待機期間があり、その間は自宅で安静することになりました。
それまで仕事に忙殺されてきた私にとって、これほど自分の時間を持てたことがなく、また初めて”死"というものを嫌というほど考えさせられた貴重な二ヶ月となりました。
スーパーカー世代で、子供の頃から車が好きで、中でもランボルギーニとポルシェに憧れていました。
ホントはランボルギーニ ミウラが一番好きだけど、現実的に自分が乗るのであれば、ポルシェだろうという認識がいつの間にかできていたと思います。
そして、病気の発覚をきっかけに「死ぬまでに一度はポルシェに乗る!」と思うようになり、もし今回の病気が自分の寿命を凄く短いものにするのなら、頭金無しの鬼ローンでも、或いは生命保険を担保にしてでも、何が何でもポルシェを買おうと決意しました。
幸い手術の結果、今回の病気そのものは、ほぼ根治できたようで、ポルシェを買うにしてもじっくり考える時間が与えられました。
この頃、僕が考えていたポルシェは、空冷ではなく水冷の911でした。
認定中古車センターに行ったりして、「997がもう少し安くなったら、頑張って買おう。」と思っていました。
ただ、いろいろと調べているうちに、インターミディエーションシャフトの問題と、それに対するポルシェの企業姿勢に疑問を持つようになりました。
そして、空冷時代のポルシェ、空冷の911こそが僕の思い描くポルシェなんだと思うようになっていきました。
続く